このページでは,

 R FAQ
 Frequently Asked Questions on R
 Version 1.7-27, 2003-07-16
 ISBN 3-901167-51-X
 Kurt Hornik

(http://cran.r-project.org/doc/FAQ/R-FAQ.html ) の第 5.2-6章の日本語訳に取り組みます.


R-FAQ 日本語訳全体の目次


5 R のアドオン・パッケージ (R Add-On Packages)

5.2 アドオン・パッケージをインストールするには? (How can add-on packages be installed?)

(Unix のみ.) CRAN 上のアドオン・パッケージは, pkg_version.tar.gz という名前の gzipped tar ファイルになっています. これは実際には, 1つ以上のパッケージを含む "バンドル" になっているかもしれません. あなたのシステム上で tar および gzip が利用可能である場合に, シェル・プロンプトで,

 $ R CMD INSTALL /path/to/pkg_version.tar.gz

とタイプすると, つぎの場所にインストールされます:

別のツリー (たとえば, あなたの個人用のツリー) にインストールしたい場合は, 下記を用いてください:

 $ R CMD INSTALL -l lib /path/to/pkg_version.tar.gz

ここで, lib にはインストール先のライブラリーのツリーへのパスを指定します.

さらに便利なことには, もしも CRAN にアクセス可能ならば, R 内部からパッケージをインストールしたり, 自動的にアップデートすることができます. さらに詳しい情報は CRAN.packages() についての help ページをご参照ください.

アドオン・パッケージのライブラリーのツリーを複数使うことができます. これらのライブラリー・ツリーを R に伝えるいちばん簡単な方法は, R のライブラリー・ツリーのルートになるディレクトリー群を, コロン (:) でつなげたリストにして, 環境変数 R_LIBS に設定することです. R_LIBS 内のディフォールトのツリーを特定する必要はありません. たとえば, $HOME/lib/R 内の個人用のツリーと, /usr/local/lib/R-contrib 内のパブリックなサイト用のツリーを用いるには, あなたの (Bourne) シェルの profile に

 R_LIBS="$HOME/lib/R:/usr/local/lib/R-contrib"; export R_LIBS

と書いておくか, あるいは望ましくは, あなたの ~/.Renviron ファイルに

 R_LIBS="$HOME/lib/R:/usr/local/lib/R-contrib"

という行を加えておきます. (注. ~/.Renviron ファイルでは, export 文を使う必要はありませんし, また使うことは許されていません; より詳しい情報は, Startup についてのオンライン・ヘルプをご参照ください.)

5.3 アドオン・パッケージを使用するには? (How can add-on packages be used?)

あなたのシステム上で, どの追加パッケージが利用可能か調べるには, R のプロンプトで

 library()

とタイプしてください.

これにより, つぎのような結果が表示されます

 Packages in `/home/me/lib/R':
    
 mystuff       My own R functions, nicely packaged but not documented
 
 Packages in `/usr/local/lib/R/library':
 
 KernSmooth    Functions for kernel smoothing for Wand & Jones (1995)
 MASS          Main Library of Venables and Ripley's MASS
 base          The R base package
 boot          Bootstrap R (S-Plus) Functions (Canty)
 class         Functions for classification
 cluster       Functions for clustering (by Rousseeuw et al.)
 ctest         Classical Tests
 eda           Exploratory Data Analysis
 foreign       Read data stored by Minitab, S, SAS, SPSS, Stata, ...
 grid          The Grid Graphics Package
 lattice       Lattice Graphics
 lqs           Resistant Regression and Covariance Estimation
 mgcv          Multiple smoothing parameter estimation and GAMs by GCV
 modreg        Modern Regression: Smoothing and Local Methods
 mva           Classical Multivariate Analysis
 nlme          Linear and nonlinear mixed effects models
 nls           Nonlinear regression
 nnet          Feed-forward neural networks and multinomial log-linear
               models
 rpart         Recursive partitioning
 spatial       functions for kriging and point pattern analysis
 splines       Regression Spline Functions and Classes
 stepfun       Step Functions, including Empirical Distributions
 survival      Survival analysis, including penalised likelihood
 tcltk         Interface to Tcl/Tk
 tools         Tools for Package Development and Administration
 ts            Time series functions

インストール済のパッケージ pkg を "ロード" するには, つぎのようにタイプします

 library(pkg)

それから, そのパッケージがどのような関数を提供するか調べるには, つぎのどちらかをタイプします

  library(help = pkg)
  help(package = pkg)

ロードしたパッケージ pkg をアンロードするには, つぎのようにタイプします

  detach("package:pkg")

5.4 アドオン・パッケージを削除するには? (How can add-on packages be removed?)

 $ R CMD REMOVE pkg_1 ... pkg_n

を実行すると, つぎの場所からパッケージ pkg_1, ..., pkg_n が削除されます:

ライブラリー lib から削除するには, 下記を実行します:

 $ R CMD REMOVE -l lib pkg_1 ... pkg_n

5.5 R のパッケージを作るには? (How can I create an R package?)

1個のパッケージは下記で構成されます:

詳細は, 「R の機能拡張を書く (Writing R Extensions)」のセクション "R のパッケージを作る (Creating R packages)" をご参照ください. このマニュアルは, R のディストリビューションに含まれていて (R にはどんな文書がありますか? (What documentation exists for R?) 参照), パッケージの構造, configure および cleanup の仕組みについて, そして自動化されたパッケージのチェックおよび構築についての情報を与えてくれます.

R ヴァージョン 1.3.0 で, 関数 package.skeleton() が追加されました. これは, ひと組の R の関数およびデータセットについて, ディレクトリーを構築し, データおよびコードを保存し, 骨格となる help ファイルを生成する関数です.

CRAN にパッケージをアップロードすることに関する情報は, 「CRAN とは何ですか? (What is CRAN?)」をご参照ください.

5.6 R に貢献するには? (How can I contribute to R?)

R はアクティヴな開発状態にあるので, つねにバグが入り込むリスクがあります. また, 開発者たちには, R を動作させることができるありとあらゆる計算機を利用できるようになっているわけではありません. そのため, ただ R を使って, 問題点を連絡するだけでも, もちろん非常に価値があります.

"Statistical Models in S" (「S とは何ですか? (What is S?)」参照) に記述されているようなモデリング・ソフトウエアとしての機能がまだ足りていません. 一般化加法モデル (「一般化加法モデル (GAMs) は R に実装されていますか? (Are GAMs implemented in R?)」参照) や, 非線形モデリングのコードのいくつかは, まだ存在しません.

R の開発者ページ (R Developer Page) は, 多かれ少なかれ最終決定された R 統計処理システムのアイディアや計画のための中間的保管庫 (レポジトリー) としての役割を果たしています. そこには, TODO リスト, RFCs, その他のさまざまな論評, アイディアのリスト, そして CVS の雑多なこと (へのポインター) が入っています.

Statlib S Repository で入手可能なパッケージの (さらに) 多くは R に移植する価値があるかもしれません.

もしもあなたが, これらのプロジェクトのどれかで作業することに興味があるならば, Kurt Hornik にお知らせください.


{ 5.2-6章おわり }

最終更新日: 2003-08-14 (木) 02:38:41


トップ   編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2023-03-25 (土) 11:19:17