CRAN (Comprehensive R Archive Network)は、R本体や各種パッケージをダウンロードするためのWebサイトで、 全世界にミラーサイト*1が存在する。 日本にも、統計数理研究所ミラー(https://cran.ism.ac.jp/ )、 会津大学ミラー ( ftp://ftp.u-aizu.ac.jp/pub/lang/R/CRAN )、山形大学ミラー(https://ftp.yz.yamagata-u.ac.jp/pub/cran/ )が存在する。 適切なミラーを選べば利用者の側には高速で快適なダウンロードが、サーバ管理者の側には負荷の軽減が期待できる。
CRANはWebブラウザを用いてR自体をダウンロードするためにも使われるが、より便利な使い方として、 Rから直接パッケージを自動インストール、自動アップデートするためにも使うことができる(install.packages(), update.packages() )。 しかし、以下のような設定をしないと、これらの関数ではCRANの本家サイト( http://cran.r-project.org )が使われてしまう。
install.packages()等でCRAN国内ミラーを使うためには、options()をあらかじめ使っておくのが簡単だろう。
options(repos="https://cran.ism.ac.jp/")
この指定以後はCRANからのファイルのダウンロードには指定されたミラーサイトが使われるようになる。
しかし、options()の指定は通常、Rを終了すると保存されず、毎起動時に指定しなおす必要がある。 これは面倒なので、Rの初期化ファイル(.Rprofile)にoptionsの指定を書いてしまうのがよい。
LinuxやMacOS Xではホームディレクトリ、WindowsではRをインストールした先のディレクトリ(C:¥Program Files¥R¥rw1090 など)に 下記のような内容の.Rprofileという名前のファイルを置けば、毎起動時にこの内容が読み込まれてCRANオプションが適切に設定される。
options(repos="https://cran.ism.ac.jp/")
Windows環境ではドットで始まるファイルが作成し辛いらしいが、 いったんドット抜きのRprofileという名前のファイルを作って書き込み、それをエクスプローラでリネームするのがよいらしい(未確認)。
もし、Webへのアクセスにプロキシを利用しなければならない場所では、この.Rprofileに以下のような内容を追記すればよい(The R Book p.50より)。
Sys.putenv("http_proxy"="http://proxyhost:3128/")
cat("options(repos=\"https://cran.ism.ac.jp/\")\n", file="foo/bar/.baz")などではいかが? -- 2006-07-10 (月) 19:08:44
いつも使っているミラーでエラーが出るとき、一時的にダウンロード先のミラーサイトを変更したいときがあるだろう。そのような場合は、reposオプションでミラーサイトを指定する。例えば、Task Viewで"Spatial"のパッケージセットをインストールする際に、東京大学のミラーサイトを指定するには下記のようにする。
> library(ctv) > install.views("Spatial", repos="https://cran.ism.ac.jp/")
> chooseCRANmirror(graphics=FALSE)