必要な関数を探すこつ
R の多様な関数を使いこなすには、使えそうな関数を要領よく探すこつが要ります。例えば「ベクトル場のグラフィックスを描きたい」とします。平面上の点から矢印を描けば良いわけですが、それに使えるどんな関数があるのか分からないとします。矢印は arrow ですから、先ず R のキーワード検索関数 help.search() を使い
> help.search("arrow")
とします。キーワードは二重引用符で囲む必要があります*1。すると
Help files with alias or title matching 'arrow' using fuzzy matching: arrows(base) Add Arrows to a Plot Type 'help(FOO, package = PKG)' to inspect entry 'FOO(PKG) TITLE'.
と表示されます。これはキーワードをふくむ関数が base パッケージに一つあったことを意味しています。(検索は現在使用中の機械にインストールされているすべてのパッケージ中から行なわれますから、こういう時のためにとりあえず使う予定のない追加パッケージも手あたり次第インストールしておくとよいかも。)次に関数 arrows() はどういうものか感触を得るために、
> example(arrows)
で例示用コードを実行します。par(ask=TRUE) を先に一度実行しておくと、複数のグラフィックス出力画面が一気に流れ去ることを防ぎ、画面を順にゆっくり点検することができます。使えそうだなとなったら
> ?arrows # または help(arrows) (二重引用符は不要)
で関数の説明と、最後に付いている例示用コードを眺めます。すると、arrows() は
などが分かります。また、同様の関数として矢印の代わりに線分を描く関数 segments() があることも分かります。
help.seach() は正規表現による曖昧な検索も受け付けます
> help.search("ab*cd") # 前後にそれぞれ文字列 ab, cd を含む文字列を検索
help.search() に似ている関数に、ほとんど同じ機能をもつ apropos(), find() があります。 これはキーワードを含むオブジェクトを検索します。キーワードは二重引用符で囲んでも、囲まなくても構いません。正規表現による検索も可能です(この際は二重引用符が必要)。違いは、apropos() は現在ロードされているライブラリ中から、キーワードを含むオブジェクトだけを検索対象とすることです。
> apropos("lm") # lm を含むオブジェクトを検索 > apropos(ls) # ls を含むオブジェクトを検索 > length(apropos(".")) # すべてのオブジェクトの総数 > apropos("^pr") # pr で始まるすべてのオブジェクトの検索 > apropos("^..?$") # 2文字のオブジェクトを検索 > apropos("pr$") # pr で終るオブジェクトを検索 > apropos("ub.{0,}a") # ub と a の間に零個以上の文字列を含むパターン > apropos("ub.{1,}a") # ub と a の間に1個以上の文字列を含むパターン
R 1.7.0 版で 1632 種類
> builtins() [1] "~" "||" [3] "|" "{" [5] "zip.file.extract" "zapsmall" [7] "yinch" "xyz.coords" [9] "xyinch" "xy.coords" (途中省略) [1627] "%*%" "%%" [1629] "$<-" "$" [1631] "!=" "!"
現在使用中の計算機にインストールされているパッケージの一覧を得るためには、次の命令を使います。
> search() > searchpaths() # インストール場所の絶対パスを得る
もちろんそのライブラリが既にインストールされている必要があります。
> library(gstat) # ライブラリ gstat をロード > library(help=gstat) # gstat 中のオブジェクト(関数、データセット)の一覧を得る
R site search R 関連ドキュメントからの最大の全文検索システム
> RSiteSearch("BUGS") # ブラウザが起動しBUGSの検索結果を表示
いろいろなオプションがあるので、ヘルプを参照。ブラウザを変更するには、環境変数R_BROWSERを変更する。
R のマニュアルや公式メイリングリストの過去記事からキーワード検索するには、
例えば google でキーワード rpart, NA を含む文書、記事を検索するには次のようなキーワードを使います。
site:r-project.org rpart NA
また用例を探すには R のファイル形式を指定します。例えばplotの場合次のようにgoogleに入力します。拡張子が r という名前のファイルをネットで検索できます。
filetype:r plot
キーワードを含む R 関係のコードを検索してくれます。
CRAN code search by gonzui